今日の1足

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今年に入って個人的にかなり思い出深いモデルがリーボック クラシックから復刻されました。それがテニスシューズのCLUB C。自分が1988年に入社したころはクラブチャンピオン、略して「クラチャン」と親しみを込めて呼ばれていました。ちなみにウイメンズモデルもあって、そちらはクラブクラシックだったので「クラクラ」。リーボックジャパンの社員や卸売を行う代理店、主要小売店のスタッフはこれら略称を使用していました。

 

そしてこの「クラチャン」ですが、1988年頃から1990年頃までのリーボックのベストセラーで、現在も著名なフリースタイルやワークアウトといったモデルよりも売れていたのみならず、アディダス スタンスミスなどを抑えて、この当時日本で最も売れていたテニスシューズだったのです。半数以上はカジュアルシーンで履かれましたが、かなりの部分が実際のテニスコートでも使用され、ハードコートで酷使されたシューズが修理依頼で戻ってきたのを覚えています。そしてこの「クラチャン」ですが、全盛期には毎月のように1万足を超える入荷があるものの、全国の取り扱い店に振り分けるとあっという間に社内の在庫が無くなってしまい、欠品状態がしばらく続いたこともありました。

 

そんな「クラチャン」ですが、オリジナルはダイヤモンドパターンのアウトソールを装備しており、どちらかいうとハードコート向けのソールパターンでしたが、’90年代に入り、しばらくすると変形ヘリンボーンアウトソールを用いたCLUB PLAYERにモデルチェンジします。このアウトソールパターンは日本でポピュラーだったクレーコートオムニコートにもある程度対応したことから、テニスショップやスポーツショップからは歓迎されましたが、実際に入荷してみるとアッパーデザインetc.はほぼ同じながら、「クラチャン」と同等の販売実績をあげることはできずに生産終了してしまいました。

 

一度だけ’90年代初頭を大学で過ごした某ブランドのスタッフに「クラチャンには大学のテニスサークル時代、本当にお世話になったんですよ!」と言われたことはありますが、あれほど売れたのにもかかわらず、スポーツシューズの歴史において存在感を残すことができなかったのは常々もったいないと思っていたので、今回の復刻はとても嬉しかったです。そしてその再現度が素晴らしい。シュータン裏ラベルやサイズラベル、Reebokのロゴが繰り返しプリントされるアーチバンテージ部分などは特に完成度が高いとされた初期型を蘇らせています。当時のプライスは1万円前後だったので、最初は「高い!」と思いましたが、某セレクトショップで現物を見ると、そのクオリティの高さに驚きました。このCLUB Cは今春のヘビーローテシューズになりそうです。

 

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今回の復刻モデルは初期型を再現。使用したガーメントレザーも高品質だし、シュータン裏のラベル、サイズラベル、アーチバンテージなど細部のディテールにもこだわっています。